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1964東京オリンピックシンボルマークデザインはスゴいんだよ [小ネタ]

すっごいイマサラなのですが、2020東京オリンピック・パラリンピックのシンボルマークが決まりましたねー、あ、シンボルマークって言わないのねエンブレムっていうのね、オサレねー、オバサンよくわからないわ、へー。



初めて見た時『あ、前の東京オリンピックのあの神デザインをリスペクトしてるのね』って思ったわけなのですが、友人に話したところ、ナニソレそんなに昔のがスゴイのか状態でして、ヘタレながら図解してみます。

1964年第18回東京オリンピック

シンボルマークが決まって、ポスター第1号が最初に刷られたのが1961年です。
この1964東京オリンピックのシンボルマークは、今みたいな公募コンペじゃなくて指名コンペだったと思います。指名されたのは、日本を代表するデザイナー、河野 鷹思・永井 一正・田中 一光・杉浦 庸平・稲垣 浩一郎・亀倉 雄策。
日本が威信をかけた『日本デザイン界 総力戦』だったのがわかるかと。

シンボルマークに満場一致(!)で採用されたのは亀倉 雄策のデザイン。
名前は知らなくても作品は絶対みんな知ってますよ。例えば……グッドデザイン賞のあの黒いGのマーク、それからリクルートの前のカモメのマーク、Nikonのあのロゴ、明治ミルクチョコレートのMeijiってあのパッケージデザイン!みんな絶対知ってる日本を代表するデザイナーです。

1964東京オリンピックのそのシンボルマークがコレ。
文字は原 弘、全体デザインは亀倉 雄策。
原 弘は日本の昭和期を代表するグラフィックデザイナーです神様です。



出典:NIPPON DESIGN CENTER ※オリジナルデザインを元にゴールド・カラー部などそれっぽく彩色してあります

メインは一番左の朱色とゴールドのもの。
なんで3種類もあるのかって……真ん中はモノクロテレビ用、右がカラーテレビ用なのですよ奥さん。テレビもまだまだモノクロテレビがフツーで、やっとみんなが憧れのカラーテレビを手にいれることができるようになった時代だったんですね。
でも実際に使われたのは、オリジナルの左の朱色・金のバージョンなんです。



で、よーく見ると、似てません?
2020のシンボルマーク、左上の金と右下の銀に挟まれた『白い日の丸』が見えません?
タテ長のスペース横幅メいっぱいに入れられた『白い日の丸』、だから初めてみた時、2020のエンブレムは1964のシンボルマークのデザインを継承したのかな?って思ったんです。

ここから先は、オオノの個人的見解を混ぜまくって書いていきますよ、個人的に思うこと感じることなので、本当にそうだったったのかは知りませんし、間違ってるかもしれません勘違も思い込みもあるとおもいます。まぁオオノはこんな風に感じだよーって感想をもりもりと盛っていきますからね、いいですね、話半分参考で聞いてくださいよ奥さん。


1964東京オリンピック、シンボルマークが決まったので、ポスターを作ります。広告ですね。
当時は『広告』っていうと、雑誌の中か街のポスターや看板に新聞の中、そしてテレビのコマーシャルという時代。なかでも『駅貼りのポスター』なんか広告界の花形!
そんな中、オリンピック開催まで毎年1枚新しいポスターを作っていくことになるんですよ。

1964東京オリンピック・連作ポスターです。

まずは1961年に刷られたシリーズ第一弾のポスター、その名も『第1号ポスター』。
文字は原 弘、全体デザインは亀倉 雄策。
まずは東京オリンピックを告知するシンボルマークのポスターです。


出典:日本オリンピック委員会オフィシャルサイト

印刷紙横幅ギリギリいっぱいいっぱいまで。
NIPPON、オリンピック、1964 TOKYO! 強烈な印象!
いらんもんナシ、ゴタクウンチクなし!潔く厳粛なすんばらしいデザインです。『TOKYOにオリンピックが来る!』これを超えるデザインはないでしょう。(断言)
そもそもこのシンボルマークデザイン、組織委員会からの電話を受けて2時間で仕上げたというエピソードも残ってるのですよ奥さん、恐ろしい…。


亀倉はこのデザインについて「単純でしかも直接的に日本を感じさせ、オリンピックを感じさせる、むずかしいテーマであったが、あんまりひねったり、考えすぎたりしないよう気をつけて作ったのがこのシンボルです。日本の清潔な、しかも明快さと、オリンピックのスポーティな動感とを表してみたかったのです。その点、できたものはサッパリしていて、簡素といっていいほどの単純さです。(以下略)」と自ら語っている。 出典:日本オリンピック委員会オフィシャルサイト


ですってよ奥さん、ねー、ほんとスカっとして心地よいデザインだわ。日本が日の丸で本当によかったわ。

そして次の年からのポスターは亀倉 雄策をリーダーにチーム戦となります。
1962年の『第2号ポスター』
これはとても有名ですね。黒い背景に人物を浮かび上がらせるため、夜の国立競技場で撮影されたもので、リテイクは50回とも80回とも言われています。連写なんかできませんからストロボ焚いて一発勝負ですよお父さん。東京中のストロボが掻き集められたとかなんとか。


出典:日本オリンピック委員会オフィシャルサイト

実は日本で初めてのグラビアポスター。しかもフルカラー(4色印刷)といいつつ7色刷でB全版!当時の日本の技術を結晶させたこのポスター、世界もマジでびっくりですよ。あ、グラビアって、水着のおねぇちゃんのポスターではありません。グラビアという印刷方法のことです。雑誌でフルカラー写真(水着のおねぇちゃんとか?)のところは目玉ページなので綺麗なグラビア印刷で刷ったことから、名残でアレがグラビアって呼ばれるようになったっていう どーでもいいお父さん豆知識です。

1963年の『第3号ポスター』、1964年の『第4号ポスター』と続きます。



出典:日本オリンピック委員会オフィシャルサイト

キャッチコピーもゴタクも無し、緊張感と躍動感あふれた見るものを圧倒するデザイン。
これを実際に見た人はうわぁぁってなったんじゃないかな、羨ましい!
駅貼りなどで並んで貼られることを計算され尽くされた非常に美しいポスターです。


……わからないって?どこが計算されているかわからない?

では並べてみましょう。
あ、ちいさいのでクリックするとちょこっとだけ大きくなりますよ。


出典:日本オリンピック委員会オフィシャルサイト 並べて加工しました。

これではフツーに並べただけです。しかし、この並べ方ではありません。

本当はこうです↓


出典:日本オリンピック委員会オフィシャルサイト 並べて加工しました。

全然 インパクトがちがうデショ!
これがB全版フルカラーで目の前に3枚並んだら……圧倒されます。

陸上選手のポスターは左から右へダッシュしていますね、人物群全体のシルエットも三角形で、右にむかって突進しています。

水泳選手のポスターは両腕を丸く上げて、その腕のラインは顔に集まり、それが水面に映り、黒いトラックに集約されていきます。

『見る人の目線』がちゃんと計算されているのです。

左のポスターから凝縮されて射出された目線は、ビュルっと日の丸を舐め超え弧を描き、右のポスターに受け止められて、ストンと落ちていきます。

そこにあるのは『TOKYO1964』


出典:日本オリンピック委員会オフィシャルサイト 並べて加工しました。

もうひとつ、『日の丸』の配置。

『丸』というカタチは、完全無欠のカンペキなカタチなので、とても訴える力の強いカタチなのですが、それが3つあります。
同じカタチが複数あれば、必然的にそこの間にリズムが生まれるわけですが……


出典:日本オリンピック委員会オフィシャルサイト 並べて加工しました。

目に見えないピラミッド型 低重心ドドンの空間ド真ん中に、オリンピック五輪のマークしかもGOLD。

デザイナーの亀倉 雄策は「1号を真ん中にして、2号を左に、そして3号を右にして並べると最も効果的である」と語っているのです。

あの陸上選手の『第2号ポスター』は、日本デザイン史に残る傑作と評されますが、オオノは、この『第2号ポスター=第1号ポスター=第3号ポスター』が3枚並んだ姿こそが、日本デザイン史に残る傑作、世界デザイン史に残る傑作だと思っています。


1964オリンピック前年になってやっとプロジェクトチームが発足、各部署のデザインが進められていくのですが、国際行事でピクトグラムが導入されたのはこの大会が初めてなんですよ、お父さん豆知識。ピクトグラムってアレよ、競技の種類とか施設のないようとかをシルエットのシンプルなイラストで表現するアレよ、ほら、非常口みたいなやつね。
公式報告書は、原 弘による装丁、記録映画は市川 崑という豪華すぎる本気の日本総力戦スゲェす。
2020年はどうなるんだろうな。


1964東京オリンピックの次のNIPPONのオリンピックは、1972札幌冬季オリンピック。
そのときのシンボルマークがコレ。


出典:NIPPON DESIGN CENTER

このデザインは、亀倉 雄策のデザインを継承しているのがわかると思います。日の丸と同じボリュームの雪でリズムが出ていて、すっごいワクワクする楽しいデザインだなーと思うんですがどうでしょう奥さん。
東京がゴールドを使ってあったので、札幌はシルバーです。
そしてこのデザイン、正方形が連なっているのですが、これを切り離して横一列に並べたり、空白の正方形を入れて四角く並べたりもできるフレキシブルなデザイン!実際にパンフレットなどいろんなものに使いやすいよう工夫されているのです。

デザイナーは永井 一正。
そう、1964東京オリンピックのシンボルマークのコンペときに指名されたデザイナーの一人、そして、今回の2020東京オリンピックのエンブレムデザイン審査委員会代表でもあるのです。

え?永井 一正知らない?んーそれじゃぁねぇ……東京電力のマーク。それからJRでしょ、日清食品のマーク、あ、三菱UFJ(あのグリグリしたの)もそうだったんじゃないかな、それから森ビル!みんな知ってるすごいデザイナーなのだ。


ね?日本のオッサンデザイナー、すごいでしょ?
ポスターもロゴも、何十年前のデザインだけれど、今見てもカッコイイしキレッキレだし、世界からみてもクール。本当にすごい。

イマドキは、『広告』のスタイルが変わってきている。
駅貼りポスターや新聞の広告だけじゃなくなってきた。大きな広告、小さな広告、チラっと見える広告に動く広告…メイルでインターネットでショッピングの最中に書類の中に、もういろんなスタイルの『広告』がいっぱいいっぱい溢れてる。
だから、昔の『広告デザイン』とイマの『広告デザイン』を同じところで比べること自体無意味なんだけれど……でも、デザインの基本『伝える』は絶対同じ。

「これがナントカの色で、ここんところがナントカを表現してて…」なんて説明しなくても、スゲェ何かがズドンと来る、張り詰めた空気がチリチリと体に焼きついてくる。その広告を正面から見た人のココロは、ソワっっとする。正体不明のナニカが、動かなきゃってキモチにさせる。それが『広告』。

イマドキの若いデザイナーさんは、昔のデザインを勉強してほしいな。ハっと気がつくことがたくさんあると思うんだ。

がんばれ若手デザイナー!

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